2つの治療法

会話する男性

まず重要なこと

強迫性障害の治療に入る前に、大切なことを伝えておきます。それは患者さん自身がこの病気を治そうとする強い意志を持つことと、ご家族らが患者さんを支えることです。強迫性障害を治療するには、薬物療法と認知行動療法という2つの治療法がありますが、どちらも慣れるまではとても辛いもので、長期間掛かります。そんな時、患者さん自身も、周りの方も諦めず、治療を続けていく覚悟が必要です。もちろん、これに強迫性障害の専門の医師が加わることによって、よりうまく治療が行くようにサポートをしていきます。薬物療法も認知行動療法も、誤った方法を続けても、症状が軽くならない上に、本人や家族にとって負担が大きくなるだけだからです。強迫性障害の専門医師には事細かに、今思っていること、これからどうしたいかなどの率直な意思疎通を計り、それが治療方針に反映してもらうようにすることが大切です。

薬物療法とは

強迫性障害に悩む方は、自分の行動で生じている不合理なことや、周りの方の視線や評価が気になって、うつ病を併発していたり、極度の不安感を抱いたりしています。それらが強迫性障害の悪化の原因にもなっているので、まずはそれを取り除くために、抗鬱剤を服用する薬物療法を実施します。薬物療法を行う際は薬の副作用や効き方が人によって異なるので、病院側と話し合いながら、薬の種類を買えたり、服用する量を調整していきます。強迫性障害の治療に使用されるのはSSRIと呼ばれる選択的セロトニン再取り込み阻害薬という薬です。これは脳内に作用して、セロトニンという物質の再吸収を阻害して、不安を取り除く役割があります。代表的なものにはフルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、エスシタロプラムという薬剤があります。

我慢する治療法

薬物療法が上手くいくと、不安感やストレスが軽減されるので一時的に精神状態が安定し、強迫性障害の症状が軽くなる場合があります。でも、それは薬を飲んで一時的に良くなっているだけで、目指すのは強迫観念に負けず、脅迫行為をやらなくなることです。その為に行われるのが、認知行動療法という精神疾患の治療法の中でも、曝露反応妨害法というものです。この方法は、脅迫行為をしたくなっても我慢することで、強迫観念の際に生じる不安感を適切に処理して、いずれその不安感が弱くなり、脅迫行為をしなくても良くなるまでそれを繰り返すというものです。物を触って、手が洗いたくなったらそれを我慢する。鍵を締めたか確認しにいきたくいなったらそれを我慢する、洋服を着る順番を間違っても、着替え直さないという風に行います。当然、最初は不安でたまりません。患者さんにはとても辛い治療ですが、うまく行けば高い効果を期待できるのがこの治療法のメリットです。